ごあいさつ


  当地(兵庫県赤穂市)は、気候が温暖で雨量が少ないものの、まちの中央に名水百選にも選ばれた千種川が流れ、水資源が豊かなところです。昔は家の前の小川にもタナゴなどが泳いでいました。天秤棒を担いだ金魚売りから買った和金をはじめ、昔は小さなフグなどの海水魚や、プラティ、グラミー、ベタなどの熱帯魚も育てていました。おおらかな時代だったので、職場で飼育し、みんなで産卵を見ていたこともありました。またそこで穂竜を目にされた方々をきっかけに、愛好会ができたとも言えます。

 

 昭和44年(1969年)、金魚ブームが到来し友人たちと第1回の赤穂金魚品評会を開催いたしました。単独の魚種ではなく全品種を対象にした日本初の品評会です。またそのころ手に入れた黒出眼オランダ獅子頭の特徴を活かし、さらに鱗にも工夫を加えて穂竜は生まれました。瘤、竜眼、パール鱗に加え、今までに人が見たことがないような色合いを求め、昭和56年頃から開発に着手し作った魚は、平成6年(1994年)の第1回金魚日本一大会でお披露目したことにより全国に名前が知られることになりました。

 

 観賞魚は右肩下がり、飽きられないように金魚も絶えず前向きに進化させていかねばなりません。今年は目指していた金魚に一歩でも近づけるかどうか。会員の皆様とともに、新しい金魚を作っていきたいと思います。


 平成19年(2007年)に穂竜愛好会を発足するにあたり,作出者の榊先生に会長になっていただき平成29年(2017年)から会長の大任を預かり試行錯誤で会の運営を続けてまいりました。

 金魚の飼育とは本来は孤独な趣味です。日々の単調作業の繰り返しと,春先からは仕事や家庭など各自の事情のなかで寝る時間を削って産卵,選別、育成に追われます。その結果に一喜一憂するのですが,友人どころか身近な家族からも理解は得られても共感を得ることは難しいものです。しかしながら,愛好会ではそんな自分が当たり前であり,共通の趣味を語り合える仲間がいます。年に数回、丹精込めて育てた金魚を持ち寄る。一人で飼育していると自己満足の域を出ませんが、会として基準を定め審査員の方々の合議で優劣を競う。

 華麗な色合いと若さ溢れる当歳魚、大きく優美な泳ぎが美しい親魚。その美に触れ、飼育の苦労を忘れるひと時を過ごしていただきたいと思っています。


 子どもが小さな頃,金魚すくいの金魚を飼い始めました。小さな水槽とセットになったぶくぶくを揃えた後,数週間後空になった水槽に小さな出目金と琉金を飼いはじめました。今度は死なせないようにと手に取った金魚の飼育本に,様々な金魚が載っておりその中に穂竜がいました。

 今なら,ネットで目にされることもあるでしょうが,皆さんが穂竜のことを知ってくださったのもこんな風なきっかけではないでしょうか?

 変わった金魚を育ててみたいな。気軽な気持ちから愛好会に参加してみて早15年。あっという間と思う一方、こんなに長く金魚を育てることになるとは思いもしませんでした。相変わらず新しい発見があり、日々金魚を育てることと、金魚仲間との談笑が楽しいです。

 楽しく穂竜や変わり竜を一緒に育ててみませんか。お気軽にお問合せください。